インフラやプラント・メンテナンスで期待を集める光センサー

 インフラやプラントは構造そのもののが巨大なため、例えばメンテナンスに必要な計測を行なう場合、その高さゆえ人手による作業が難しかったり、危険を伴うことも多々あります。そこで、離れた場所からでも非接触で計測できる光センシング技術に期待が集まっていて、実際その適用も進んでいるようです。
 先ごろ東京ビッグサイトで行なわれた「メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2016」でレーザーレーダーなど、いくつか興味深い光センサーを見つけましたので、ここで紹介したいと思います。

(1)ファロージャパン◆ファロージャパン
同社の小型・軽量レーザースキャナーは、工場を丸ごとスキャンして素早く簡単にデジタル化が可能。非接触式なので、複雑な配管のように人手による計測が困難な場所でも、天井クレーンのレール計測など、高所での作業を必要とする計測でも、安全な作業環境を確保しつつ、プラントや工場のレイアウト変更、3Dデジタル化、大型部品の形状解析に活用できる。高解像度で鮮明なカラーオーバーレイ(最大70メガピクセルカラー)を表示でき、最大測距距離は半径330m、重さ約5.2kg、サイズ24×20×10cmと小型・軽量なので持ち運びも簡単だ。

(2)英弘精機◆英弘精機
ドップラーライダーは、レーザーを出射して大気中に浮遊する塵など、エアロゾル粒子の後方散乱で得られるドップラーシフト信号から視線風速を計測する(同社のレーザーは波長1.54μm)。これをベクトル合成することで水平風速が算出でき、エアロゾル濃度が分かるので大気境界層や雲底の計測も可能だ。同社では各種ドップラーライダーを扱っているが、写真の3Dスキャニングドップラーライダーシステムは、上部に付いたスキャンヘッドで自由走査ができるので、機器を中心に半球状に風況計測が行なえる。陸上から洋上など、離れた場所から特定の場所の風況を知ることができ、測定範囲も容易に変更可能なので、風力発電の風車などのスキャンを行なって後方乱流を観測できる。計測範囲は3km、6km、10kmの3タイプがある。

(3)コニカミノルタ◆コニカミノルタ
3Dレーザーレーダーと可視/サーマルカメラ(MOBOTIX製)を組み合わせたセキュリティーソリューションを提案。クラス1の赤外レーザーを用いた3Dレーザーレーダーは、TOF(Time Of Flight)方式でリアルタイムに広範囲、かつ縦24ライン(水平120°、垂直15°)という隙間のないスキャンをすることで、高精度な3次元情報を取得できる。検出距離は反射率10%の場合で0.5~30m、実力値で200mまで検出可能ということだ。広い場所における侵入検知や人数カウント、動線分析や滞留分析などができ、フェンスセンサーなどとの組み合わせも可能。3Dレーザーレーダーは、重要なインフラやプラントを3D計測で常時監視して、災害発生による形状変化をいち早く把握することで被害の拡大を未然に防ぐという使い方もできる。

(4)アルゴ◆アルゴ
小型・軽量の全方位LiDARセンサーは、波長903nmのレーザーを16個用いたTOF方式の送受信センサーを内蔵、水平全方位360°、垂直視野30°の3Dイメージングが可能となっている。1秒間に300,000ポイントを測定し、測定精度約±3cm、測定距離は100mまで対応する。ヘッドの寸法は71.7×103.3mm、重量は標準型の830gと軽量型の590gの2タイプがある。車載、無人機、ポイント設置など、様々な3次元マッピングのアプリケーションに対応可能だ。GPSを必要としないリアルタイムローカライゼーション(自己位置測定)&マッピング(地図再生)ユニットを用いれば、ビルや橋梁、トンネル、道路などのインフラ検査維持管理や文化財などの3Dドキュメント作成を素早く低コストで行なうことができる。

(5)RSダイナミックス・ジャパン◆RSダイナミックス・ジャパン
外径50mmのスリムな形状で、地中孔内の空洞調査に最適な現場用3Dレーザースキャナー。プローブには2方向の傾斜計を内蔵、先端のレーザー部が水平、垂直方向に回転してレーザースキャンすることで、空洞の位置や形状を3Dデータとして正確に測定・記録することができる。クラス1のアイセーフレーザーを使用しており、測定距離は150m、測定精度は5cm、分解能1cm、スキャン速度は最大60°/秒、データスキャン速度は250点/秒というスペックになっている。プローブの先端部にLED付きカメラが装着されているので、プローブ周辺のモニタリングも可能。

編集顧問:川尻多加志

 

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