「光学素子と機構の検査技法」でノウハウを伝承する。

今から14年前の1995年に「光学素子と機構の検査技法」という書籍を刊行した。著者の井上弘氏はかつて富士写真光機株式会社(現/フジノン)に在職され、そこでは複写機、現像機、撮影機、内視鏡光源装置などの設計の仕事に従事されていました。一連の仕事は光学と機械の融合であり、光学設計者、機械設計者、光学部品製作者、金属加工者、電気技術者といった技術者や技能者が協力しないと成り立ちません。当初は門外漢だった井上氏は、このような職場環境下で実技の仕事をしながら悩み、考え、資料を収録し、理解を進めてこられたそうです。当然のことながら現場で学ばれた多くのことは井上氏の中にノウハウとして蓄積されました。
そもそもノウハウとは国際商業会議International Chamber of Commerce(ICC)によれば、「産業目的に役だつある種の技術を、実際に応用するために必要とされる秘密の技術的知識、経験またはそれらの集積」をいい、普通は伝承することを拒んだり、あるいは伝えようと思っても科学的に整理しながら記録を残すという作業はたいへん根気のいることです。井上氏はご自身の経験を基に、日夜苦労している次世代の技術者に、無駄の苦労をしないで本来の仕事あるいは次のステップに邁進することを願って本書を執筆したと語っておられます。
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初版より14年が経過した今でも本書は色あせることなく貴重な内容となっていますので、井上氏に無理をお願いし、増補改訂を加えていただき、先頃その第一分冊「光学材料・素子編」が発行されました。残りの第二分冊「機構部品編」、第三分冊「製造管理・規格編」も3月と5月に刊行予定ですので関係者各位には是非お読みいだたきたく、お薦めいたします。
詳細目次は下記をご覧下さい。
http://www.optronics.co.jp/books/store/?mode=search&pattern=detail&catid=&kindid=&itemid=20169&kword=

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