編集長の今月のコメント(2010年9月)

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編集長 川尻多加志

CD、DVD、Blu-ray Discと、光メモリの高密度化・大容量化は規格統一問題で紆余曲折はあったものの、普及という面からは結果としてほぼ順調に進んで来たと言えるのではないでしょうか。Blu-ray Discレコーダの普及も、ハードディスクレコーダと組み合わせた製品が売れていて、双方の住み分けも、まぁ上手く行っているのかなという感じがします。
さて、その次の光メモリとなると、直近の動きとしてはBlu-ray Discの記録層を保ったまま多層化することで高密度化・大容量化を実現しようという研究・開発が進められていますが、さらにその先、いわゆるテラバイト光メモリを実現する方式はというと、本命が中々見えて来ないというのが実情のようです。候補としてはホログラムメモリや2光子吸収記録材料を用いたもの、近接場光を用いたもの等々、様々な方式の研究・開発が以前から進められて来ましたが、これだ!というブレークスルーはまだ起こっていないようです。
一方で、磁気メモリや小型であるという特長を持つ半導体メモリも高密度化・大容量化・低価格化が進んでいます。さらに通信ネットワークによるコンテンツ配信が当たり前になりつつある現在、光メモリの研究・開発を取り巻く雰囲気には何となく停滞感が漂っているような気もします。これではいけません。
そこで、今月号の特集は関西大学・先端科学技術推進機構・ハイテクリサーチセンターの沖野芳弘氏に、光メモリ分野の研究・開発の活性化を願って、近未来に役立つ光メモリ技術という切り口で特集を企画していただきました。今回の特集でご紹介いただくのは2光子吸収記録材料、マイクロリフレクタ、PTMと近接場露光を融合させたメモリ、Blu-ray Discへの3次元映像記録、光ディスクのマイグレーション、super-RENSディスク、アーカイブ用薄型光ディスクといった、近未来観点からいま注目を集めている研究・開発の数々です。
先端技術というものは研究・開発が進めば進むほど縦割り構造になりがちですが、研究・開発は研究・開発として、ここは一番、光メモリという大枠で捉えて横の連携を強めるようなアクティビティが何か必要ではないでしょうか。
中国のGDPが日本を追い抜く可能性が濃厚だそうです。内閣府推計によれば4~6月期GDP名目値はドル換算で日本が1兆2,883億ドル、対する中国は1兆3,369億ドル。季節的要因などの影響を取り除く前の原数値ということですが、2009年暦年のGDPが日本5兆849億ドルに対し、中国が4兆9,090億ドルと肉薄していますので、2010年には日本を抜くとの見方が強まっています(8月18日付け日刊工業新聞2面)。
人口が10倍以上もあるので、一人あたりのGDPを見れば2008年の中国3,235ドルに対し、日本は3万8,371ドルと12倍近くの差をつけているのですが、日本の一人あたりGDPもOECD加盟国中2000年の3位が、最近では19位と、どんどんダウンしています。
我が国の4~6月期の実質GDPは前期比0.1%増と、3四半期連続プラスだったものの年成長率は0.4%と大幅ダウン。円高、株安も急速に進行しています。こうなると一政党が政権を維持できるかどうかなど、どうでも良くなります。メンツにこだわらず、また思い付きや目先のバラマキではない、有効な経済対策は打ち出せるのでしょうか。

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