11月13日(水)から15日(金)の三日間、幕張メッセで国際放送機器展(Inter BEE 2013)が開かれました。
予想通りと言うか、4k向けの機器・装置が数多く出展され、8k関連も出ていました。
さて、光関連ではどんなものが? 私の見れた範囲ですが、各社ごとにレポートさせていただきます。
先ずはソニー。
4kスーパー35mmCMOSイメージセンサーを搭載したライブカメラやオプティカルディスク・アーカイブ、それに使用するオプティカルディスクなどを出展していました。
注目は、視野角によるカラーシフトを従来の半分以下に抑えた新有機ELパネルを用いた30型の4k有機ELモニターです。
パナソニックの光伝送スタジオカメラは、光ファイバケーブルを使用してカメラとCCU間を最長2kmまで比圧縮のデジタル高速伝送が可能。同社ではこの他にも、4k-VARICAMや31型の4k液晶モニターを展示していました。
キヤノンは、テレビコマーシャルでもお馴染みのCINEMA-EOSシステムをアピール。
4kタイプ、4k・2kタイプ、フルハイビジョンタイプ、AVCHDタイプが揃っています。また、同社の開発した映像製作現場向けの30型4k液晶ディスプレイは、IPS液晶パネルとRGB-LEDバックライトを採用したものです。
4kのUHDモニターを出展したのは東芝。4kに満たないフルHD画像も超解像技術によって4kに拡張できるというものです。
三菱電機のLED光源とDLP方式を組み合わせたプロジェクターシステムは、従来の高圧水銀ランプと比べ寿命が10倍以上、24時間365日の運用でも9年以上定期的な消耗部品の交換が不要としています。
非圧縮スーパーハイビジョン(8k)信号伝送用120GHz帯FPU受信映像伝送をデモンストレーションしたのは池上通信機。NHKと共同開発したもので、垂直偏波と水平偏波を用いているとの事です。また、来春発売予定のHD-SDI映像多重光ファイバ伝送装置は、複数の異なるフォーマット映像をパケット多重して10kmの伝送が可能、WDM多重に比べて映像あたりの伝送コストを抑えられるそうです。
NECは、昼夜を問わずに撮影が可能なフルハイビジョン3CMOS超高感度カメラを出展しました。可視光に赤外光を加えて撮影できるタイプもあります。この他にも、同社はCWDM方式を採用したHD/SDマルチフォーマット映像伝送装置も展示していました。
放送業界では4k、8kと話題に事欠きませんが、ハイビジョンから4kに移行するには当然、放送局の機器・装置を交換する事になって、それなりの費用がかかると思います。
4kの次は8kという流れの中、特に民放の費用負担が気になるところです。
編集顧問:川尻多加志